【公演案内】苫野美亜プロデュース「Contemporary Dance Pieces」

横浜を拠点に活動する振付演出家、苫野美亜がプロデュースするコンテンポラリー・ダンス企画が兵庫県芦屋市の芦屋市民センター、ルナ・ホールにて開催される。企画は芦屋市が文化プロデューサーの育成を目的として行っている「芦屋夢ステージ」事業の令和元年度の舞台芸術公演として行われ、公募によって集まった数ある舞台企画の中より選別され、この度上演される流れだ。実は「夢ステージ」事業でのダンス企画は初めてだという。芦屋市出身のファッションデザイナー、コシノヒロコさんが企画のバックアップということもあり、地元だけでなく幅広い世代からの期待の高さが窺える。公演が来月に迫った1月末。苫野さんに企画への想いを伺った。

 ー苫野さんは横浜を拠点としてご活躍なさっておられますが、この度はなぜ芦屋市で企画を開催されたいと思われたのでしょうか。


苫野:2007年にコンテンポラリー・ダンサーとしてご活躍の中村恩恵さんがダンスグループ「Dance Sanga」を横浜で立ち上げられました。私は初期メンバーとしてグループに関わり、その頃より活動の拠点を横浜に移しました。2014年にDance Sangaが解散してから現在も関東を中心に活動していますが、「自分の出身地である芦屋市にて舞台公演を上演したい」という想いはずっと私の中にありました。芦屋市の「夢ステージ」はそんな私の願いをかなえてくれる企画です。芦屋市は伝統を大切にしながらも新しい表現を受け入れている地だと思います。自治体が協力的なこの企画を足掛かりに、今後、出身地である芦屋でもコンテンポラリー・ダンスの普及に貢献できれば嬉しいです。

©Kiyonori Hasegawa


ー幼いころよりクラシック・バレエを専攻されていた苫野さんですがコンテンポラリー・ダンスに惹かれ、そして活動の方向性をそちらに移されました。その魅力とは何ですか。


苫野:クラシックバレエの型を極めるという点にも魅力を感じていましたが、日々のレッスンの中で何か沸々と自分の中で湧き出る想いがあると感じました。ちょうどその時期に著名な振付家であるイリ・キリアンの作品を上演する、NDT(ネザーランド・ダンス・シアター。オランダのコンテンポラリー・バレエ・カンパニー)の来日ツアーがありました。来日公演では日本人ダンサーの募集があり、私はそれに応募し実際に公演に参加出来たのですが、公演の際のリハーサルが新鮮でとても刺激的でした。コンテンポラリー・ダンスの魅力とは、自分自身の(内なる)表現を追求できる事だと思っています。

©JIN KIMOTO


―一般的にコンテンポラリー・ダンスは難解で難しいとイメージをお持ちの方が多いと思いますが、今回作品を上演するにあたりどんな工夫をされていますか。


苫野:私は作品を創る際の演出にこだわっています。見て下さる方が喜んで下さる様々な「しかけ」をたくさん作中に入れ込んでいます。それぞれの作品にそれぞれのしかけがありますので、私の作品を見て下さった方からは「同じ人が創ったとは思えないね」といった感想を頂く事もあります。

 今回の企画にご出演のダンサーはクラシックバレエのトレーニングをなさっている方ばかりです。訓練され、研ぎ澄まされた身体が織りなす表現が作品の質を高めると考えています。この企画でしか見られない作品をお客様に見て頂ければと思っています。

©Kiyonori Hasegawa


―今後の思い描く道はありますか?


苫野:実はここだけの話ですが…。千利休が茶道を芸術の域にまで高めたように、私もコンテンポラリー・ダンスをもっと深い芸術の域にまで高めたい、という想いがあります。誰にでも踊れるダンスを芸術の域に高めるには、自己満足ではなく誰しもを納得させる表現が必要です。それを追及していきたいと思います。


関西では観られる機会が少ない苫野作品。新進気鋭の振付家が紡ぎ出す新しい表現のダンス作品に心がときめく。

(インタビュー:2020年1月30日)


苫野美亜(とまの みあ)

©Hiro Otake


芦屋出身。4歳よりクラシックバレエを山口けい子に師事。1995年に山本禮子バレエ団付属研究所に入所後は関田和代に師事した。2007年より中村恩恵主宰「Dance Sanga」に参加し、中村の作品に多数出演するほか、新国立劇場バレエ団をはじめ全国のバレエ団やスクールに中村作品のアシスタント、またコーチングを数多く行う。2015~2018年まで芦屋大学経営教育学部バレエコース非常勤講師。2015年より現在も熊川哲也主宰「K-BALLET SCHOOL」にてコンテンポラリー・ダンスの講師を勤めている。

2002年NBA全国バレエコンクールにて第2位受賞。2014年横浜市テアトルフォンテ・アズビル・アワード受賞。


【公演概要】

公演名:令和元年度芦屋夢ステージ苫野美亜プロデュースDance Performance LIVE#6

「Contemporary Dance Pieces」


日時:2020年2月15日(土)17:00開場、17:30開演

会場:芦屋市民センター ルナ・ホール


【チケットについて】

前売り 2,000円 

当日  2,500円

※5歳以上の方はチケットが必要です。


【チケットのご購入】

Confetti(カンフェティ)

オンライン:https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=55247

電話:0120⁻240⁻540


【公演案内】

https://miatomano.wixsite.com/danceperformancelive


【問い合わせ】

Dance Performance LIVE制作委員会

電話:090-2524-0580


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