トスカーナ州立バレエ学校、サマーインテンシヴ2020

イタリア、シエナに位置するトスカーナ州立バレエ学校/Ateneo della Danzaのサマーインテンシヴが2020年7月4日から13日までシエナの学校内にて行われる。期間の最終日にはユネスコの世界遺産に登録されているシエナ旧市街にあるRinnovati 劇場 (Teatro dei Rinnovati)にてガラ・コンサートが行われ、参加者はイタリアの歴史的な劇場での舞台経験を体験できる。今年度のサマースクールの特徴をマルコ・バッティ校長に伺った。
―トスカーナ州立バレエ学校では毎年様々な教師がサマースクールに招かれます。今年はどんな方がゲスト講師として参加されますか。


バッティ:これまで我が校は、世界のバレエ界をリードする著名な舞踊家やダンサーをゲスト講師にお招きしました。今年はパリ・オペラ座バレエ団エトワールのア二エス・ルテスチュさん、ミラノ・スカラ座バレエ学校にて教鞭を取るエマニュエラ・タリャヴィアさん、またイスラエルのバットシェバ舞踊団所属でオハッド・ナハリンのガガ・メソッドを教授くださるヤニフ・アブラハムさん、この他も多彩なゲスト講師をお招きする予定です。我校にて教師として常勤する講師もサマーインテンシヴ期間中にレッスン致します。

 授業はクラシック・バレエ、コンテンポラリー・ダンス、ボーイズ・テクニック、パ・ド・ドゥクラス、ポワント・クラス、キャラクテール・ダンス、フロア・バーなどを予定しています。今年はウィリアム・フォーサイスのテクニックを学ぶ授業もあります。ここでしか体験できないユニークなプログラムとなっています。

昨年のサマーインテンシヴの様子


―クラシック、コンテンポラリーと、それぞれの分野を代表する教師と一緒にレッスンをできるわけですね。それはとても楽しみですね。トスカーナ州立バレエ学校のサマースクールの特徴は他にもありそうですね。


バッティ:参加者は期間中、年齢別に4つのグループに分けてレッスンしますが、学校構内で在学生と同じ稽古場でレッスンすることになりますので、我校への短期留学体験が出来ます。最終日に予定されているガラコンサートの劇場はとても美しく素敵ですよ。歴史のある劇場の舞台に立てるという経験は若いダンサーにはとても貴重な体験となるはずです。

Rinnovati 劇場 (Teatro dei Rinnovati)


ー最後に日本人ダンサーへのコメントをお願い致します。


バッティ:私どもの学校には様々な国籍のダンサーが在籍し、それぞれがバレエ芸術を深めるため、日々稽古に励んでいます。日本からの若いダンサーの皆さんも、毎年サマースクールや長期留学などに迎えております。イタリアから離れた日本より生徒さんをお迎えするとき、勉強の面だけでなく生活面で困ったことに直面した時、学校のスタッフや教師一同はすすんで解決の糸口を見つけられるよう努めております。技術的、芸術的に成長していくダンサーを温かく迎え支援し、そして羽ばたいていく手伝いをすることが私どもの目標です。

 私どものサマースクールは参加してくださるダンサーの、新しくまだ出会ったことのない人々への出会いの扉を開く素晴らしい機会となるはずです。たくさんの新しいダンサーにお会い出来ることが今からとても楽しみです。


トスカーナ州立バレエ学校のサマーインテンシヴ2020への参加は、日本ではNAMUEバレエコンクールでの「イタリア賞」受賞による参加、またビデオオーディションによる参加がある。サマースクールの概要は専用ページをご参照ください。

トスカーナ州立バレエ学校サマーインテンシヴhttps://cultuartscene.amebaownd.com/pages/2586733/static

(インタビュー2020年2月7日)



Marco Batti:マルコ・バッティ

トスカーナ州立バレエ学校/Ateneo della Danza校長、シエナ・バレエ団/Balletto Di Siena芸術監督、ABTパートナー教師/ABT Affiliate Teacher(初級~レベル7)。2005年よりダンサーとしてエグレㇷスキー・バレエ団/Eglevsky Ballet of New York、モータスダンス/MOUTSなどで勤務。振付家としても注目されており、代表作品に『Folie Blanche』(2004年DANZ&STATE賞受賞)、『The Nutcracker』、『L’autre histoire de Manon』などがある。2006年トスカーナ州立バレエ学校校長、2011年シエナ・バレエ団芸術監督に就任。現在イタリア、シエナを拠点にヨーロッパ、キューバ、アメリカ、アジアでゲスト講師として招聘され、後進の育成を積極的に行っている。



トスカーナ州立バレエ学校/Ateneo della Danza

2006年に設立。7、8年生はプロフェッショナル・トレーニングセンターとして州より職業訓練校として認可されている。学校は世界遺産の街シエナ旧市街に位置し、生徒は歴史的文化を肌で感じながら勉学に励むことが出来る。授業内容はクラシックバレエ、コンテンポラリーダンス、モダンダンス、パ・ド・ドゥ、コンタクト・インプロヴィゼーション、ピラティス、ジャイロキネシス他。実技は、毎日4~6クラス行われている。在学中にABT認定のディプロマ(American Ballet Theater National Training Curriculum)の試験を受けることも可能(希望者のみ)。コンテンポラリー・ダンスに特化したコースEXPEを設立した。卒業後の主な就職先としては、シエナ・バレエ団、ミラノスカラ座バレエ団、ノルウェー国立バレエ団、ポーランド国立バレエ団など多数にわたる。教育システム:全日制8年。




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