令和元年度(第70回)芸術選奨受賞者が発表されました。
舞踊に関しての受賞は下記の通り。
●文部科学大臣賞 島添亮子(バレエダンサー)
贈賞理由:島添亮子氏は,小林紀子バレエ・シアターのプリンシパルとして長く活躍し,ほとんどの作品で主役を務めてきた。特に同団の主要なレパートリーである英国の現代バレエでの端正な身体造形と緻密な音楽性,深みのある感情表現において傑出しており,令和元年の「コンチェルト」は,これらの美点が凝縮された名演として称賛に値する。外部の出演公演においても洗練された存在感を示し,今後もますます円熟した舞台が期待される。
●文部科学大臣賞 米沢唯 (バレエダンサー)
贈賞理由:高い技量と深い洞察力,豊かな音楽性と表現力を併せ持ち,米沢唯氏は短期
間のうちに日本を代表するダンサーへと成長を遂げた。令和元年は,「ロメオとジュリエット」において内省的かつドラマティックな演技でジュリエットを瑞々(みずみず)しく造形。また古典から現代作品まで多様な作品に主演,研ぎ澄まされたテクニックや音楽の奥底に沈潜する情感をすくいあげようとする繊細な表現力により,圧倒的な舞台成果を上げた。既に完成された高い領域に達していてるが,限界を押し広げていく可能性を持ち,成熟期へと向かう今後の深化・進化が多いに
期待される。
●文部科学新人賞 秋元康臣(バレエダンサー)
贈賞理由: 秋元康臣氏はボリショイ・バレエ学校卒業後,国内外のバレエ団で活躍,その
端正で流麗な技術には定評がある。令和元年は所属する東京バレエ団で「海賊」「くるみ割り人形」の主役を古典的な技法で堂々と務め,一方でベジャール振付「春の祭典」では表現力の深化を見せた。さらに,日本バレエ協会公演「白鳥の湖」では,王子ジークフリードを気品ある技術と奥行きのある演技で見事に踊り,ドラマを牽引(けんいん)した。様々な作品,役柄に挑戦して成長著しく,更なる
活躍が期待される。
なお例年3月に行われる贈呈式は、新型コロナウィルス拡大防止のため、今回は見送られます。
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