【公演案内】苫野美亜プロデュース「十四夜月」

独創的かつ個性的なアイディアで、観客の心に染み入るダンス作品を創る振付演出家の苫野美亜。コロナ禍での舞台企画の在り方を模索し、その中から生まれた思考やアイディアをダンス企画「十四夜月~クラシックからポストクラシカルへ」で発表する。出演者はNBAバレエ団プリンシパルの佐藤圭、ヴァイオリニストの斎木なつめ、ピアニストの石井麻依子、次世代を担う若いダンサーが出演し、後援をコシノヒロコが務める。公演は10月31日に兵庫県神戸市のオルビスホールで行われる。(四柳育子)

公演のフライヤー


-苫野さんは国内を中心に振付演出家としてご活躍されています。コロナ禍で舞台関係者には厳しい状況が続きますが、創作活動に何か影響はありますか。

苫野:昨年は関わっていた舞台企画が7本、中止や延期になりました。特に昨年の四、五月のステイホーム期間中はリハーサルを行うことさえできなかったので、発想を変えて、この期間を今後の活動のこやしとして考え、勉強の期間としました。

 活動に制限がかかる時期とはいえ、良い面もあります。今回の公演も、コロナ禍にあるので通常の公演形態にて行う事は出来ませんが、初めての試みとして公演をアーカイブ配信として配信する予定です。舞台公演は関西で行いますが、関東在住の方からも「映像配信を楽しみにしている」とのお声を頂いております。今は公演に向け、時間をかけ丁寧に作品の仕上げに取り掛かっています。

リハーサルの様子 

©木村雅章


-公演にかける想いをお聞かせください。

苫野:公演開催のオルビスホールは円形舞台で、異空間に迷い込んだかのような劇場独自の魅力があります。オルビスホールは企画の後援をして下さいますコシノヒロコさんが名誉館長をなさる神戸ファッション美術館の中にあります。お客様にとってはきっと劇場に向かう過程も魅力的な体験になると思います。

 今回はクラシックをベース(基礎)としているダンサーと演奏家が、お客様を公演のコンセプトである「クラシックからポストクラシカル」の世界へとお誘いします。上演作品の音楽はポストクラシカルの楽曲を中心に使っています。今、この時を生きる私たちの毎日に寄り添い、心地よく優しい気持ちにしてくれるポストクラシカル音楽にダンスをのせ、見て下さる皆様に安らぎのひとときを過ごして頂きたいと思います。


リハーサル様子 

©木村雅章


-苫野さんの作品は様々な題材がテーマとなっています。新作の『十四夜月』はどのような作品ですか。

苫野:私は音楽や美術など別ジャンルの人や考え方に刺激される事が多いかもしれません。今回の『十四夜月』は京都の龍安寺の石庭に着想を得ました。龍安寺の石庭は白砂の中に庭石が15個配置されていますが、どこから眺めても必ず石が1つ隠れて見えないように造られています。日本の思想では15という数字は「完璧」を表わすそうです。ですが、同時に「完成した時より崩壊が始まる」という考え方もあります。それより一つ欠けた14は「足りないものを補うという意味がある」と、私は考えます。

 『十四夜月』では舞台上に石庭を思わせる装置を置き、劇場にお越しになるお客様に実際に舞台上に上がって頂く機会を作ります。実際に舞台に上がり、作品の中へ入っていく体験をして頂きたいと考えています。作品ではダンサーと音楽家を石に見立てて、何かが欠けて見えるよう演出をしたいと思います。 是非、そこにも注目して鑑賞ください。

リハーサル様子 

©木村雅章


アーティストの息遣いを感じる生の表現と、映像美の世界。その両方のコラボレーションが待ち遠しい。

(インタビュー:2021年10月10日)



苫野美亜(とまの みあ)

©Hiro Otake

芦屋出身。4歳よりクラシックバレエを山口けい子に師事。1995年に山本禮子バレエ団付属研究所に入所後は関田和代に師事した。2007年より中村恩恵主宰「Dance Sanga」に参加し、中村の作品に多数出演するほか、新国立劇場バレエ団をはじめ全国のバレエ団やスクールに中村作品のアシスタント、またコーチングを数多く行う。2015~2018年まで芦屋大学経営教育学部バレエコース非常勤講師。2015年より現在も熊川哲也主宰「K-BALLET SCHOOL」にてコンテンポラリー・ダンスの講師を勤めている。

2002年NBA全国バレエコンクールにて第2位受賞。2014年横浜市テアトルフォンテ・アズビル・アワード受賞。


【公演概要】

公演名:苫野美亜プロデュースDance Performance LIVE #7

「十四夜月 クラシックからポストクラシカルへ」

日時:2021年10月31日(日)13:00開場/13:30開演

              16:30開場/17:00開演

会場:オルビスホール(神戸ファッション美術館内)


【チケットについて】

全席自由 前売り 3,500円

     当日  4,000円


【チケットのお取り扱い】

Confetti(カンフェティ)

https://www.confetti-web.com/dance07

電話:0120-240-540


【アーカイブス配信】

視聴券:2,000円(税込)

配信期間:2021年11月7日 (日)~2021年11月20日 (土)

視聴方法:Confetti(カンフェティ)にて動画配信チケットをご購入できます。

https://www.confetti-web.com/dance07


【公演案内】

https://miatomano.wixsite.com/danceperformancelive


【問い合わせ】

Dance Performance LIVE制作委員会

電話:090-2524-0580

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